今月の臨床 胎児疾患の管理─胎内治療の時代を迎えて
胎児外科手術─今後の展望
横隔膜ヘルニア
千葉 敏雄
1
1国立成育医療センター特殊診療部
pp.1249-1257
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100393
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はじめに
胎児治療はいまだ発展途上のものとはいえ,2020年までには胎児診断とともに,日常的診療行為の1つになることが予測されており(米国NIH, 1999),今後急速に発展することが確実と考えられる.先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia : CDH)は,胎児外科治療の対象疾患として当初よりその中心的課題の1つであった.胎児期に診断されるCDHには,周産期予後が明らかに不良なものが存在する.その管理方針についてはいまだ多くの議論があり,今回はCDH胎児期管理における最近までの経過と現況について考えてみたい.特に,重症CDHに対する胎児期手術,近年再検討されている内視鏡的胎児気管閉塞術(endoscopic fetal tracheal occlusion)については,その臨床的意義,生理学的背景,今後の方向を含め述べてみたい1~5).
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