今月の臨床 胎児疾患の管理─胎内治療の時代を迎えて
胎内治療の適応と実際
TRAP sequence
天野 完
1
1北里大学医学部産婦人科・総合周産期母子医療センター
pp.1244-1247
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100392
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はじめに
TRAP sequence(twin reversed arterial perfusion sequence)1)は35,000妊娠に1例あるいは1絨毛膜双胎の1%にみられる稀な病態で,動脈─動脈吻合を介して健児(pump twin)の臍帯動脈血流が逆行性に無心体(acardiac twin)を還流する.羊水過多の合併頻度が高く早産となるリスクに加え,健児が高拍出性心不全に陥れば周産期予後はきわめて不良である.頻回の羊水除去やジゴキシン,インドメサシンによる薬物療法の効果は限られるため,外科的胎内治療が行われるようになった.
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