Japanese
English
論説
横隔膜ヘルニアについて
Diaphragmatic hernia
片岡 一朗
1
,
蟹江 弘之
1
,
桜井 凱彦
1
,
大矢 裕庸
2
Ichirô KATAOKA
1
1日本医科大学斉藤外科教室
2市立酒田病院外科
pp.51-60
発行日 1967年1月20日
Published Date 1967/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204204
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はじめに
横隔膜ヘルニアには先天性横隔膜ヘルニアが多く,呼吸,循環器系,脱出臓器などへ及ぼす影響が強いため,新生児期における死亡率は高く,Bochdalek孔ヘルニアでは60%,食道裂孔ヘルニアでは12%といわれ,早期手術の適応で,ことに新生児におけるBochdalek孔ヘルニアでは,緊急手術を要する場合もしばしばあるが,無症状に経過し,成人になつて始めて,症状の現れる場合もある.従来,新生児に対する手術は極めて予後不良で,その手術法については種々異論のあつたところである.最近小児外科の進歩により,手術例の報告も増加し,その手術成績は著しく向上して,手術法についての論議もほぼ一致した意見に到達したかの感がある.
そこで当教室において経験した8手術例を中心として,本邦文献より集計しえた564例(手術463例)を参照,また私どもの行なった実験的研究の1〜2を引用して,ここに少しく述べる.
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