特集 図説 胃と腸用語集2012
病理
adenoma-carcinoma sequence
味岡 洋一
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
キーワード:
carcinoma in adenoma
,
腺腫内癌
,
de novo癌
Keyword:
carcinoma in adenoma
,
腺腫内癌
,
de novo癌
pp.827
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113398
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大腸の良性腫瘍である“腺腫”の中に起きる発癌機転を,ACS(adenoma-carcinoma sequence)という.1970年代にMorson1),Mutoら2)により体系化された.ACSの直接的証拠としては,腺腫内癌(腺腫の一部に癌巣が認められること)の存在がある(Fig. 1).絨毛・絨毛管状腺腫,異型度の高い腺腫,大きい腺腫ほど癌化率が高いとされる.
ACSは,当初は2cm以上のポリープ型腺腫に起きると考えられておりpolyp-cancer sequenceとも表現されてきたが,後に1cm前後の小さな腺腫や平坦な腺腫(flat adenoma)でもACSが存在することが示されるようになった.筆者らのデータでは,腺腫の癌化率は5mm以下で1.8%,5~10mmで9.1%,10~20mmで32.9%,20mm以上では67.8%である.
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