今月の臨床 月経前症候群と月経痛─どう対応するか
わが国の月経随伴症状の実態と特徴
玉田 太朗
1
1自治医科大学名誉教授
pp.947-955
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100362
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はじめに
月経随伴症状には月経前期,月経中およびそれ以外に現れる症状が考えられるが,その実態はなお明らかでない.本稿では,特集の序論として,これまでの前視的記録による症状の頻度と重症度が明らかにされているものをできるだけ忠実にたどり,診断・治療の基礎となるような実態を明らかにすることを目的とした.特に内外の症状の違いを明らかにすることに努めた.併せて,なお論争の的となっている以下の3つの話題についてデータに基づき考察した.すなわち「月経前症候群(PMS)を月経開始と同時に消失する症状群に限定するか,月経中まで残る症状も含めるか」「月経前期および月経中以外の時期に周期的に現れる症状があるか」,「月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorders : 以下,PMDDと略)とPMSの関係」である.
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