今月の臨床 月経前症候群と月経痛─どう対応するか
月経前症候群
月経前症候群の発症機序
中江 光博
1
,
堂地 勉
1
1鹿児島大学医学部産婦人科
pp.957-961
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100363
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はじめに
月経前症候群とは毎月月経が開始する3~10日前頃から精神症状や身体症状が現れ,月経前に最高潮に達して月経が開始すると同時に消失するのを特徴とする症候群である.最近,女性の健康問題のなかで月経前症候群が注目されている.月経前症候群の症状には手足のむくみ,乳房の痛み,疲れやすい,眠たい,精神不安(いらいら感,緊張感,憂うつ感)などの多彩な症状が出現して,重症になると子供を虐待したり,万引きしたり,凶暴な犯罪を起こすこともあり得る.月経前症候群では片頭痛,泣き,神経質,活力低下などもしばしば見受けられる.しかし,月経前症候群の病因は必ずしも明確でなく,かつ的確な治療法がないのが現状である.
本稿では,月経前症候群の発症機序について概説する.
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