今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
2.妊娠合併症の治療と注意点
[脳血管疾患] 脳動静脈奇形
熊谷 万紀子
1
,
安達 知子
2
1葛西産婦人科
2総合母子保健センター愛育病院産婦人科
pp.544-545
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100265
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1 診療の概要
脳動静脈奇形(arteriovenous malformation : 以下,AVM)は先天性の血管形成異常である.その破裂の好発年齢は,脳動脈瘤が50~60歳といわれるのに対し,20~25歳と報告されている.
妊娠に関連して破裂の頻度は非妊時に比較し増加する1, 2)との報告がある一方,以前に破裂の既往がなければ妊娠は出血のリスクにはならない3, 4)という意見もある.ただし,AVMからの出血の既往歴がある妊婦では再出血の危険性は増加し,特に初回破裂直後の1年間に再出血する危険性は高い3).
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