特集 脳動脈瘤および脳動静脈瘤(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
脳動静脈奇形の脳循環動態
永井 肇
1
,
岡村 和彦
1
,
戸田 稲三
1
1名古屋大学医学部星川外科
pp.498-501
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202044
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.緒言
脳動静脈奇形は先天性頭蓋内血管形成異常疾患の一つでありその循環動態の特徴は毛細血管の介在なしに動脈から静脈へ直接交通する血流が存在することである。したがつて本疾患における脳循環動態はきわめて特異的なものでありこれを把握することは本疾患の病態生理を解明する上でまたその治療の上で大きな意義を有するものと考えられる。
脳動静脈奇形に対する脳循環の測定は1948年Shenkinet al1)により初めて試みられその後Bessman3), Svien4),斎藤8),鈴木12),中村沓沢15)らの報告がある。いずれもN2O法により測定されたものであるがその結果はあるものでは異常な高値を,またあるものでは逆にに正常値より低い値を示し一定の傾向が得られていない。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.