Japanese
English
特集 Interventional Angiography
脳動静脈奇形
Embolization technique to cerebral arteriovenous malformation
神保 実
1
Minoru Jimbo
1
1東京女子医科大学第二病院脳神経外科
1Dept. of Neurosurgery, Ogu Hospital, Tokyo Women's Medical College
pp.653-659
発行日 1984年7月15日
Published Date 1984/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204471
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頸動脈—海綿静脈洞瘻(carotid cavernous fistula以下CCFと略す)や,脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malformation以下AVMと略す)では,手術法が進歩した今日といえども,なお直達手術が不可能な場合がある。このような場合には人工栓塞術が行われてきた。
AVMが栓塞術の対象になるのは,その特異な血行動態による。AVMは,一言で定義するなら,脳のlocalcapillary dysgenesisである。先天的に脳の一部で毛細管が欠如し,該部では,動脈と静脈が異常な血管により直接吻合している。毛細管抵抗がないため,吻合部を通過する血流量(短絡血流量)は,健常脳組織のそれに比べて非常に増大している。このため,吻合部(病巣)に至る動脈(導入動脈)は拡張し,病巣より発する導出静脈も,過量の血流をうけて受動的に拡張する。その結果,脳血管撮影上,蛇行する血管のコングロメラートといった特徴的な所見を呈する。
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