今月の臨床 早産─予防と対策
妊婦指導と早産予防
宮内 彰人
1
1日本赤十字社医療センター産婦人科
pp.756-759
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100131
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はじめに
周産期医療において,われわれが現在取り組むべき最も重要な課題の1つは早産の予防である.早産の病因やリスク因子については永年にわたる研究から多数指摘されているにもかかわらず,これらの因子が多岐にわたり,相互に関連し合うため,早産の予知や予防に十分活かされているとはいい難い.
従来,母親学級として知識普及の講義型集団指導を中心に行われてきた妊婦指導であるが,最近は妊婦に応じた指導内容の個別化がなされ,自己啓発のための問題提起型個別指導へと改良されてきている.早産予防のための妊婦指導も,個別にリスク因子を把握し,生活指導を行うべきである.
本稿では,従来,早産のリスク因子として考えられているもののなかから妊婦指導に必要なものを取り上げ文献的に考察するとともに,日本赤十字社医療センターでの早産予防を目的とした妊婦指導の取り組みについて紹介する.
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