原著
妊娠子宮の頸管長について
河野 幾雄
1
,
羽仁 宮生
1
,
鈴木 文司
1
1濟生會神奈川縣病院産婦人科
pp.361-362
発行日 1952年8月10日
Published Date 1952/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200660
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I.研究の目的
本邦婦人の妊娠子宮の頸管の長さについて測定した。妊娠中期における人工中絶の術式としては種々あるが,切開手術は比較的新らしい方法である。切開手術のうち「子宮峽部横切開術」即ち安藤—Fuchs氏手術は,昭和25年度日本産科婦人科學會の宿題報告「人工妊娠中絶方法の研究」の中に,擔當者の一人である尾嶋信夫氏より他法と比較して紹介された。本研究はその報告のうちの基礎的研究の一部である。
本手術では,子宮峽部に切開を加えるので切開部位の發見が重要なことである。普通は表面からの觸感により,或は子宮口から消息子又は曲鉗子を挿入して,切開部位を定めることが出來るが,此際に問題となるのは,頸管の長さである。妊娠子宮の頸管の長さについては,文献に見當らないので此測定を行つてみた。
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