今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
III 内分泌外来
4. 月経困難症(月経痛)
堀川 道晴
1
,
千石 一雄
1
1旭川医科大学産婦人科
pp.468-471
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100084
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1 はじめに
月経困難症とは月経中あるいはその直前・直後における月経随伴症状で,下腹部痛や腰痛などが病的に強く,そのため日常生活が著しく障害され,治療を必要とするものをいう.月経痛は婦人科領域において最も多い訴えの1つであり,軽度の月経痛は成熟婦人の70~80%にみられるが症状が重症であり,何らかの治療を必要とするものは3~8%とされる.
月経困難症は原発性月経困難症(機能的)と続発性月経困難症(器質的)の2つに分類することができる.原発性月経困難症とは骨盤内に疼痛の原因となる器質的病変が認められないものをいい,初経後排卵周期が確立すると出現し,排卵周期の成熟とともに頻度も低くなり,症状も弱くなっていく.一方,続発性月経困難症は疼痛の原因となる器質性病変が骨盤腔内に存在する場合をいう.
原因疾患としては子宮内膜症,子宮腺筋症,子宮筋腫などが最も多く,それ以外では骨盤内炎症,骨盤内癒着,子宮頸管狭窄などによって起こる.したがって,一般に各疾患の好発年齢により発症頻度が異なる(表1).
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