今月の臨床 低用量OCの普及をめざして
OCの効用
2.月経周期の調節・月経困難症
安達 知子
1
1母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院産婦人科
pp.1546-1549
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102506
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はじめに
女性が日常的に最も経験しやすい月経に関する大きなストレスは,大切なイベントに月経が重なる可能性が生じることと,女性の1/4以上に認められるというきわめて強い月経痛(月経困難症)である.
経口避妊薬(oral contraceptives : OC)は間脳・下垂体・卵巣系の調節機序を上手に利用したホルモン剤であり,副作用なくきわめて簡単かつ確実に,人工的に月経周期を延長あるいは短縮でき,種々のイベントに月経が重ならないようにコントロールできる.また,月経困難症はとくに若い女性には頻度が高いが,OCによってこれが軽減するばかりでなく,経血量も減少して月経に関する心身の負担が減少するため,万一大切なイベントに月経が重なっても,自然周期よりは楽に対応しやすい.ここでは,月経周期コントロールの考え方,実施方法,月経困難症の頻度や原因,OCの作用機序などについて解説する.
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