連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・3
胎児腹部の嚢胞像
竹内 久彌
1
1愛和病院画像診断部
pp.231-233
発行日 2006年3月10日
Published Date 2006/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100042
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妊娠22週の妊娠中期超音波スクリーニングで胎児腹部のほぼ中央に明らかな嚢胞像が発見された症例である.
嚢胞の発生源を推定すると,胃胞とほぼ平行に肝臓から出て下方が腸管に囲まれている嚢胞の位置と形,および嚢胞の頭方に嚢胞内に入る形の管腔構造(矢印)がみられることなどから,肝を発生源とした嚢胞構造であろうと推定できる.嚢胞位置がほとんど腹腔内中央にあることを考慮すれば,これが胆道に関連した嚢胞と考えて矛盾はない.この例で胆嚢を別に描出できなかったのは,検査時の妊娠週数からみてやむを得ない.ただ,この嚢胞を胆嚢自体と関連付けるには,その形態が合致しない.したがって,胆管に関連して発生した嚢胞と考えた.
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