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腹部超音波像(胎児像およびその他の異常)
永江 学
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1聖マリアンナ医科大学附属病院超音波センター
pp.715
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101488
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【解説】 図1は妊娠29週0日の胎児顔面の三次元超音波像である.目,鼻,口,耳などが明瞭に描出され三次元超音波の魅力の1つである.本検査法は患者サービスを含めて臨床の場に広まりつつある検査法である.特に,断層像では把握しにくい形態異常について有用性が指摘されている.ただ,ある程度の羊水量がないと描出できない欠点がある.
図2は妊娠25週2日の超音波像である.胎盤は後壁に付着し,内子宮口を覆うように認められる.本例は全前置胎盤例であった.前置胎盤の発生率は0.3%前後といわれている.内子宮口を覆う程度により,全前置胎盤,部分前置胎盤,辺縁前置胎盤に分けられる.経腹超音波では鑑別困難なこともあるが,経膣超音波の普及により診断は確実となってきた.検査時の注意点としては子宮頸管をはっきりと描出することと,適当な膀胱充満法である.
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