論述
骨折の非観血的治療の限界
星 秀逸
1
Shuitsu HOSHI
1
1岩手医科大学整形外科教室
pp.340-349
発行日 1972年5月25日
Published Date 1972/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908477
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はじめに
往昔も現在も骨折の治療は非観血的に取り扱うということが理想である.しかし最近では非観血的に取り扱つても好結果が期待されるような症例に対しても不必要な観血的操作が採られている場合も少なくないようで,つぎつぎに開発された手術器具を安易に適応を選択せずに取り入れ,いろいろな合併症を惹きおこして,その後の治療に難渋することも再々である.
もちろん,観血的治療を否定しているわけではない.十分な適応で確実な整復,固定により社会復帰が早められる症例であれば,慢然と非観血的操作に拘泥することなく,積極的に観血的治療を採用すべきであろう.
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