Japanese
English
臨床経験
潰瘍性大腸炎に破壊性の股関節炎を合併した1例
A Case of Ulcerative Colitis Complicated with Destructive Hip Arthritis
金村 在哲
1
,
西川 哲夫
1
,
松原 伸明
1
,
日野 高睦
1
,
冨田 佳孝
1
,
三谷 誠
1
,
原田 俊彦
1
,
井口 哲弘
2
Aritetsu Kanemura
1
1兵庫県立加古川病院整形外科
2神戸労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
キーワード:
ulcerative colitis
,
潰瘍性大腸炎
,
arthroplasty
,
関節形成術
,
seronegative spondyloarthropathy
,
血清反応陰性脊椎関節症
Keyword:
ulcerative colitis
,
潰瘍性大腸炎
,
arthroplasty
,
関節形成術
,
seronegative spondyloarthropathy
,
血清反応陰性脊椎関節症
pp.211-214
発行日 2000年2月25日
Published Date 2000/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908379
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抄録:潰瘍性大腸炎に破壊性の股関節炎を合併した1例を経験した.症例は33歳の女性で,12歳時より腹痛と下痢を主訴に潰瘍性大腸炎の診断にて加療を受けていたが,翌年より腹部症状の増悪時には膝,肘および股関節の移動性,一過性の疼痛を自覚していた.31歳時より右股関節痛が増強し,保存的治療を受けたが症状の軽快はなく,X線像上も関節破壊の進行を認めたため,右股関節に対して双極性人工骨頭置換術を施行した.術後経過は良好で疼痛は消失している.
潰瘍性大腸炎では種々の腸管外合併症が認められているが,その中でも脊椎および関節症状は血清反応陰性脊椎関節症の範疇に属している.その特徴は急性に発症し,一過性,移動性に生じるびらん性変化を伴わない非破壊性の関節炎とされている.自験例では破壊性の股関節炎を合併し,観血的治療にまで至った稀な1例であり,人工骨頭置換術を施行し良好な結果を得た.
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