Japanese
English
臨床経験
反対側に症状を呈した馬尾腫瘍の1例
Cauda Equina Tumor with Contralateral Symptoms : A Case Report
松本 彰生
1
,
松原 伸明
1
,
日野 高睦
1
,
西川 哲夫
1
,
冨田 佳孝
1
,
照喜納 光信
1
,
原田 俊彦
1
,
井口 哲弘
2
Akio Matsumoto
1
1兵庫県立加古川病院整形外科
2神戸労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
キーワード:
cauda equina tumor
,
馬尾腫瘍
,
contralateral symptoms
,
反対側症状
,
dumbbell tumor
,
砂時計腫
Keyword:
cauda equina tumor
,
馬尾腫瘍
,
contralateral symptoms
,
反対側症状
,
dumbbell tumor
,
砂時計腫
pp.1001-1004
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908395
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抄録:腫瘍と反対側に症状を呈した馬尾腫瘍の1症例を経験した.症例は61歳の男性で,腰痛および左下肢痛を認め,腰椎の伸展で左下肢への放散痛が生じた.神経学的には両側ATRの低下,左S1以下の知覚鈍麻を認めた.画像上,L5椎体高位で腫瘍により馬尾は背側に圧排され,S1椎体高位において硬膜管は左背側に圧排されていた.手術所見では右S1神経根から発生したEden type Ⅰの砂時計腫を認め,腫瘍を右S1神経根および巻き込んだもう1本の馬尾とともに摘出した.術後右S1・2領域のしびれが出現したが,左側の症状は消失した.本症例における症状発現の機序について,左側の症状はL5椎体高位での硬膜内腫瘍による圧迫,およびS1椎体高位でのS1神経根の圧迫により出現し,右側の症状が発現しなかったのはS1椎体高位で腫瘍は右側の椎体を侵食しながら発育したため,右側の馬尾に加わる緊張が少なかったためと考えられた.
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