Japanese
English
シンポジウム 慢性関節リウマチ頚椎病変
慢性関節リウマチに伴う頚椎病変の病理学的検討
Pathological Study of the Cervical Lesions in Rheumatoid Arthritis
藤本 真弘
1
,
藤原 桂樹
1
,
上尾 光弘
1
,
米延 策雄
2
,
越智 隆弘
3
Masahiro Fujimoto
1
1星ケ丘厚生年金病院整形外科
2関西労災病院整形外科
3大阪大学医学部環境医学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Hoshigaoka Koseinenkin Hospital
キーワード:
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
頚椎
,
cervical spine
,
頚髄症
,
cervical myelopathy
,
病理
,
pathology
Keyword:
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
頚椎
,
cervical spine
,
頚髄症
,
cervical myelopathy
,
病理
,
pathology
pp.781-789
発行日 1994年7月25日
Published Date 1994/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908261
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抄録:慢性関節リウマチに伴う頚椎病変により脊髄症状を呈した3剖検例の頚椎病変のひろがり,脊髄圧迫の機序を検討した.上位頚椎では環椎後頭関節より環軸関節の破壊が高度であった.環軸椎前方亜脱臼例では環椎後頭関節は正常,外側環軸関節は滑膜の増殖,軟骨下骨への肉芽組織の浸潤がみられたが,関節面の沈下はなかった.垂直亜脱臼例では環椎後頭関節の滑膜増殖,肉芽形成を認めた.外側環軸関節の破壊は高度で関節面の沈下がみられた.下位頚椎では多椎間にわたり後縦靱帯の椎体縁への付着部であるenthesisに肉芽組織が見られた.軸椎下亜脱臼高位では椎間板,軟骨終板が肉芽組織に置換され,椎間関節,棘突起,棘上・棘間靱帯も広範に破壊されていた,全例脊髄へは骨性圧迫のみであり炎症性肉芽による圧迫は認めなかった.しかし,歯状突起周辺,後縦靱帯内に肉芽組織が浸潤していたことから,脊柱管内に波及すれば脊髄圧迫を惹起しうることが示唆された.
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