特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
座長総括/「Ⅳ.後方法の術後(1)」の部
平林 洌
1
Kiyoshi Hirabayashi
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.353-354
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908068
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脊柱管拡大術以外の後方除圧術における術後の不安定性についてのセッションであったが,比較の対照として拡大術も一部含まれていた.
第1席の樋笠(徳島大)は,椎弓切除8例と棘突起縦割法による脊柱管拡大術12例を対象に,可動域15°以上,すべり3mm以上,局所後彎5°以上を「不安定性あり」と定義し,2群を分析,比較した.後彎を除いて「不安定性」を認めた症例では,両群に共通して術後成績は不良の傾向にあった.「不安定性の発生」には両群間に明らかな差を認めず,拡大術をもってしても術前に存在する不安定性を完全には制動しえなかったので,今後は棘突起縦割拡大術にone blockの骨移植を行う後方固定を採用する方向にあると結論した.
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