特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
座長総括/「Ⅱ.病態(2)—X線学的検討—」
山本 博司
1
Hiroshi Yamamoto
1
1高知医科大学整形外科学教室
pp.349-351
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908066
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頸椎の不安定性を形態学的に把握しようとする場合に,現在のところでは,X線を用いた動態撮影が基本になっている.このセッションでは,頸椎運動の正常域と病的異常運動域の境界がどこにあるか,いかなる性状の運動が病的と診断されるのか,異常運動と臨床症状の関係,そして治療方針を決めるための画像情報の根拠などが,議論の中心となった.
池田(岐阜大)は461名の症例の頸椎部可動域を測定し,その計測値について主成分値を算出し,症例別及び年齢別の頸椎椎間可動域の特徴について検討した.その結果,脊髄症状例では,環椎後頭間の動きが大きい反面,第3から第6頸椎間の動きが小さいとし,年齢別には,高齢者では全体に動きが悪いが,特に環軸椎間と5/6間での可動域が低下すると報告した.高齢者で下位頸椎の可動域の大きいものはriskが高いというsignになると言えよう.
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