Japanese
English
検査法
骨肉腫の肺転移巣に対する骨シンチグラフィーの有用性
The Role of Bone Scintigraphy in Patients with Pulmonary Metastasis of Osteosarcoma
鵜飼 和浩
1
,
土井田 稔
1
,
水野 耕作
1
,
広畑 和志
1
,
松本 圭司
2
Kazuhiro Ugai
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
2北兵庫内科整形外科センター
1Department of Orthopedic Surgery, Kobe University School of Medicine
キーワード:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
肺転移
,
pulmonary metastasis
,
骨シンチグラフィー
,
bone scintigraphy
Keyword:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
肺転移
,
pulmonary metastasis
,
骨シンチグラフィー
,
bone scintigraphy
pp.274-280
発行日 1989年3月25日
Published Date 1989/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908052
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抄録:当科で治療を受けた骨肉腫で肺転移巣のある10症例における骨シンチグラフィーの有用性について検討した.原発巣及び骨転移巣の骨シンチグラムはすべて陽性であるが,肺転移巣では原発巣のレントゲン像が溶骨性及び混合性病変を示す5例の骨シンチグラムはすべて陰性であった.一方,硬化性病変であった5例中4例が骨シンチグラム陽性であり,中でも傍骨性骨肉腫は強陽性であった.病理組織所見では原発巣が溶骨性病変の症例では腫瘍性類骨は見られても類骨石灰化像は全例で観察されず,また肺転移巣でも類骨石灰化像は存在しなかった.一方,硬化性病変の症例では原発巣に類骨石灰化像の存在する例が多く,肺転移巣でも類骨石灰化さらに骨形成所見を認める症例が多く,それらはいずれも骨シンチグラムは陽性であった.
以上より,骨シンチグラフィーによる肺転移巣の検索は硬化性病変に対しては有用であるが,溶骨性病変の場合には有用性に疑問があると考えられた.
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