Japanese
English
論述
慢性関節リウマチにおける手のムチランス変形について
Arthritis Mutilans in Rheumatoid Hand
佐浦 隆一
1
,
松原 司
1
,
井口 哲弘
1
,
川井 和夫
1
,
廣畑 和志
1
Ryuichi Saura
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Kobe University School of Medicine
キーワード:
ムチランス型関節炎
,
arthritis mutilans
,
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
手
,
hands
Keyword:
ムチランス型関節炎
,
arthritis mutilans
,
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
手
,
hands
pp.145-152
発行日 1989年2月25日
Published Date 1989/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908028
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抄録:いわゆる手のムチランス変形を生じた慢性関節リウマチのX線像並びに血液学的検査値を経時的に調べ,初発関節,関節別罹患頻度,ムチランス変形出現前後での血液学的検査値の変化等を検討した.X線上,母指IP関節に初発するものが多く,関節別罹患頻度は,母指IP関節次いでPIP,MP関節の順であった.更に,ムチランス変形の関節破壊には,これまでいわれてきたpencil in cap変形以外の骨吸収形態も認められ,pencil in cap型の他に我々は,次に示す分類を試みた.即ち,指節骨遠位端,近位端共に切断された様に吸収される断節型,脱臼した関節の骨接合面が吸収され不安定性を呈する脱臼型,側方が主に吸収される側方吸収型の4型に分類した.その結果,罹患関節により骨吸収形態に差が見られた.また,ムチランス変形出現前後で,赤沈値は有意な上昇を示し,CRP値も半数において上昇していた.以上より,ムチランス変形発症には炎症の進展と関節運動による物理的ストレスが関与していると思われた.
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