Japanese
English
臨床経験
RAで,大腿骨頸部のいわゆるspontaneous fractureをきたした2症例
Spontaneous Fracture of the Femoral Neck in Rheumatoid Arthritis: A Report of Two Cases
萩野 哲也
1
,
井口 哲弘
1
,
川井 和夫
1
,
廣畑 和志
1
Tetsuya Hagino
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe University School of Medicine
キーワード:
疲労骨折
,
spontaneous fracture
,
大腿骨頸部
,
femoral neck
,
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
Keyword:
疲労骨折
,
spontaneous fracture
,
大腿骨頸部
,
femoral neck
,
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
pp.1393-1397
発行日 1988年11月25日
Published Date 1988/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907987
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抄録:我々は過去15年間に慢性関節リウマチ(RA)の大腿骨頸部骨折を14例治療したが,そのうち2例は明らかに転倒などの外傷の既往のない患者である,この2症例の特徴,病因について外傷の既往の明瞭であった他の症例と比較検討した.症例は67歳と54歳の女性のclassical RAで,RA罹患歴は23年と17年で2例ともプレドニソロン服用歴がある.いずれも最初,歩行時や歩行後に疼痛を自覚し,その後,1週以内に高度の疼痛のため歩行不能となっていた.他の症例と比較すると,罹患歴,年齢,stage,class分類では差を認めず,血液所見でも有意な差はない.しかし大腿骨頸部には著明な骨萎縮がみられ2例ともSinghの分類のgrade IIIであった(P=0.02).組織所見では症例1で著明な骨萎縮に加え,菲薄化した大腿骨頸部の骨皮質直下にRA病変と思われる肉芽形成を認め,これも骨脆弱の一因と考えられた.
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