Japanese
English
臨床経験
両側大腿骨頚部spontaneous fractureの1例
A Case Report of Bilateral Spontaneous Fracture of the Femoral Neck
宗安 浩子
1,2
,
仲川 喜之
1
,
三浦 太士
1
,
鶴薗 雅史
1
,
梅垣 修三
1
Hiroko Muneyasu
1,2
1榛原町立榛原総合病院整形外科
2松下会東生駒病院
1Department of Orthopedic Surgery, Haibara General Hospital
キーワード:
femoral neck fracture
,
大腿骨頚部骨折
,
spontaneous fracture
,
特発性骨折
,
conservative treatment
,
保存的療法
Keyword:
femoral neck fracture
,
大腿骨頚部骨折
,
spontaneous fracture
,
特発性骨折
,
conservative treatment
,
保存的療法
pp.847-849
発行日 1996年7月25日
Published Date 1996/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901952
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抄録:近年,大腿骨頚部spontaneous fractureの報告が散見されるが,両側同時発生例は稀とされる.今回,われわれは高齢者の骨粗鬆症例で明らかな外傷歴なく,両側ほぼ同時期に生じた大腿骨頚部spontaneous fractureの1例を経験したので報告する.症例は81歳の女性で,高度の骨粗鬆症以外に基礎疾患はなかった.初診時のX線所見は陰性で,再診時のX線像より初めて診断がなされた.MRIでは骨頭下を横切る低信号域を認めたが,骨頭には異常信号域を認めず骨頭への血行は維持されているものと考えられた.治療は両下肢免荷にて保存療法を行い,内反変形は残存したものの機能的には問題なく骨癒合が得られた.高齢者の股関節痛の診断に際し,明らかな外傷歴がなく,X線所見が陰性であっても本症の存在を念頭におき,注意深い経過観察が必要であると考えられた.
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