特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)
座長総括/「IV.脊柱管内靱帯骨化による脊髄障害の病態」の部
井形 高明
1
Takaaki Ikata
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.352-354
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907814
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脊柱管内靱帯骨化は脊髄を圧迫し,神経障害を起こす.本セクション(表)では,諸種の画像診断や電気生理学的検査法によって骨化に合併した脊髄障害の病態を中心に検討している.
鈴木ら(福島医大)はCT像よりOPLLを塊状型,扁平型及び小粒型に分類し,厚生省研究班の分類,臨床症状などの関連をみている.CTでの骨化の水平面での広がりと頭尾方向への伸びとの間に深い関係がある.また,左右への偏位を示す骨化が約40%認められる.しかし,これら水平面での広がりや形態と臨床症状のlateralityとの間には明らかな関係がなかったと述べている.国分ら(東北大)は脊髄症発症に関与するsoft disc,devetopmental及びdynamic factorを分析している.分節型OPLLの30%近くにsoft discの合併があり,狭窄率も50%を上廻る症例もあり,重要な発症因子である.一方,soft disc非合併例ならびに占拠率50%以上の連続型OPLLでもdevelopmental及びdynamic factorが少なからず関与していると結んだ.黒佐ら(東京医歯大)はCTMでの頸髄横断面積及び正中部Cord-Arachnoidal Ratio(CAR)を計測し,主に責任高位での術前・後値と改善率との関係を追究している.
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