Japanese
English
論述
悪性軟部腫瘍の患肢温存のための併用療法について
Limb Salvage Procedure for the Soft Tissue Sarcomas with the Combined Adjuvant Therapy
姥山 勇二
1
,
後藤 守
1
,
山脇 慎也
1
,
井須 和男
1
Yuji Ubayama
1
1国立札幌病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, National Sapporo Hospital
キーワード:
悪性軟部腫瘍
,
soft tissue sarcoma
,
患肢温存治療
,
limb salvage procedure
,
術後照射治療
,
postoperative radiotherapy
Keyword:
悪性軟部腫瘍
,
soft tissue sarcoma
,
患肢温存治療
,
limb salvage procedure
,
術後照射治療
,
postoperative radiotherapy
pp.1010-1020
発行日 1989年9月25日
Published Date 1989/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908179
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抄録:悪性軟部腫瘍の治療のfirst choiceは外科的治療である.しかし健常組織を含めて切除する根治広切法は,患肢の重大な機能喪失を生じる危険も大きい.そこで手術治療にあたって放射線や化学療法の併用が,患肢の機能温存にどの程度有用であるかを検討した.これまで手術治療を行った四肢発生の悪性軟部腫瘍は176例である.その主な内訳は,切離断43例(術前照射3例),根治広切45例(動注4例,術前照射1例),術後照射58例である.広切法による局所再発は3例(6.6%),術後照射による局所再発は14例(25.4%)で,局所再発防止には広切法の方がすぐれている.一方合併症も含めた重篤機能喪失例は,広切で8例(17.7%),術後照射で10例(18.1%)と大差ない.以上より下肢に関しては外科的再建や補装具を必要としても根治広切法を第1選択とすべきである.しかし上肢は機能代償が困難で患者の不自由度も大きいので,併用療法による縮小手術も考慮に入れるべきである.
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