Japanese
English
論述
後十字靱帯損傷に対する保存的治療—動揺のメカニズムと装具の効用
Conservative Treatment for Posterior Cruciate Ligament Injury: Mechanism of Instability and Effect of Posterior Stabilizing Brace
林 承弘
1
,
石橋 俊郎
1
,
水田 隆之
1
,
長束 裕
1
,
山本 晴康
2
,
宗田 大
2
,
冨松 隆
2
,
鈴木 博之
2
,
高木 博史
3
,
飯田 勝
3
Shohiro Hayashi
1
1川口工業総合病院整形外科
2東京医科歯科大学整形外科
3埼玉県障害者リハビリテーションセンター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kawaguchi Kogyo Sougo Hospital
キーワード:
後十字靱帯損傷
,
posterior cruciate ligament injury
,
保存的治療
,
conservative treatment
,
sagging
,
非荷重位
,
non-weight bearing Position
,
後方制動装具
,
posterior stabilizing brace
Keyword:
後十字靱帯損傷
,
posterior cruciate ligament injury
,
保存的治療
,
conservative treatment
,
sagging
,
非荷重位
,
non-weight bearing Position
,
後方制動装具
,
posterior stabilizing brace
pp.1055-1064
発行日 1987年9月25日
Published Date 1987/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907692
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抄録:膝後十字靱帯損傷における動揺のメカニズムを明らかにするとともに,装具による保存的治療の有効性について検討した.対象は陳旧例16例,新鮮例9例,計25例の後方動揺膝で,先ずそれらの臨床像について調べ,次に側面X線および筋電図を用いて,ADL上いかなる状況でsaggingが生じるかをバイオメカニカルな面より調べた.その結果,saggingは階段下降時,患肢をtoe-offする時など非荷重位でのみ生じ,しゃがみ込み動作時など荷重位では生じ得ないことがわかった,また後方制動装具の使用により,階段下降時などでのsaggingが抑えられ,同時にその際に発生する不安感も消失した.こうして装具を数ヵ月間装着した後,多くの症例では装具なしでも不安感を訴えなくなった.後方動揺では,他の複合靱帯損傷を合併しない限りdisabilityが少なく,装具による保存療法で十分なことが多い.
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