Japanese
English
論述
後十字靱帯単独損傷における軟骨損傷の関節鏡学的研究
An Arthroscopic Study of Cartilaginous Lesions Associated with Posterior Cruciate Ligament Injury of the Knee
長崎 晋矢
1
,
大越 康充
1
,
小野 亜紀
1
,
橋本 友幸
1
,
山根 繁
1
Shinya Nagasaki
1
1函館中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hakodate Central General Hospital
キーワード:
posterior cruciate ligament injury
,
後十字靱帯損傷
,
cartilaginous lesions
,
軟骨損傷
,
degenerative change of the knee
,
膝関節症性変化
Keyword:
posterior cruciate ligament injury
,
後十字靱帯損傷
,
cartilaginous lesions
,
軟骨損傷
,
degenerative change of the knee
,
膝関節症性変化
pp.1499-1505
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903158
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抄録:本研究の目的は,膝後十字靱帯(以下PCL)の単独損傷において関節症性変化の進行に関わると考えられる,軟骨損傷の部位,程度について関節鏡学的に検討し,その発生メカニズムについて考察することである.
PCL単独損傷症例30例を,受傷後4週間未満で関節鏡を行った急性例12例と4週間以上で関節鏡を行った慢性例18例に分けて検討した.鏡視上,90%に何らかの軟骨損傷が,50%に重篤な損傷が認められ,重篤な損傷は大腿骨内側顆で多かった.急性例では内側コンパートメントで,慢性例では内側コンパートメントと膝蓋大腿関節面で損傷発生頻度が高くなっていた.急性期は,dash board injuryにより𦙾骨大腿関節面におこる剪断力のため,慢性期は,𦙾骨後方落ち込みによる膝蓋大腿関節面の持続的な圧上昇と,亜脱と整復の反復による𦙾骨大腿関節面の剪断力の加算により軟骨損傷が発生すると考えられる.PCL再建術の施行により正常な後方安定性が獲得できるならば,慢性期に発生する軟骨損傷を予防できる可能性があると考えられる.
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