Japanese
English
論述
レ線上骨傷の明らかでない頸髄損傷例に対する手術的治療法の成績
Operative Treatment of Cervical Cord Injuries with No Significant Radiographic Evidence of Injury
佐々木 邦雄
1
,
角田 信昭
1
,
芝 啓一郎
1
,
植田 尊善
1
,
山野 耕一郎
1
,
浅川 康司
1
,
古森 元章
1
,
森永 政博
1
,
高嶋 研介
1
Kunio Sasaki
1
1総合せき損センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Spinal Injuries Center
キーワード:
頸髄損傷
,
cervical cord injury
,
手術的治療
,
operative treatment
,
前方除圧・固定術
,
anterior decompression and fusion
,
中心型頸髄損傷
,
central cord injury
,
神経学的評価法
,
neurological estimation
Keyword:
頸髄損傷
,
cervical cord injury
,
手術的治療
,
operative treatment
,
前方除圧・固定術
,
anterior decompression and fusion
,
中心型頸髄損傷
,
central cord injury
,
神経学的評価法
,
neurological estimation
pp.651-659
発行日 1986年6月25日
Published Date 1986/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907426
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抄録:レ線上骨傷の明らかでない頸髄損傷例に対し,我々は可及的早期の除圧・固定を目的として手術的治療を行ってきた.今回,過去5年間の前方除圧・固定例53例において,術前診断法・術中所見・結果を検討し,本損傷例における不安定性の存在・手術的治療の妥当性について述べる.術前の補助診断法としては,仰臥位でのC1/2側方穿刺によるair myelographyが有用であり,術中の前縦靱帯・椎間板・後縦靱帯の損傷部位の診断において40例(89%)に有用性を認めた.術中所見として明らかな靱帯・椎間板損傷の認められなかったものは3例(6%)のみであった.結果の検討に際しては,Frankel法・Yale法に準じた点数法,及び独自に考案した手の機能判定法を用いた.改善はFrankel法では75%,手の機能判定法では80%に認められた.又,点数法による%改善率は,運動・知覚共約60%以上獲得され,知覚の改善が運動機能の改善より良い傾向を示した.
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