Japanese
English
特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
X線上明らかな骨傷のない頸髄損傷の発生機序と不安定性の臨床的検討—MRI所見を参考にして
Mechanism of Injury and Instability of Cervical Cord Injuries without Remarkable Xp Evidence of Injury
植田 尊善
1
,
芝 啓一郎
1
,
香月 正昭
1
,
白沢 健蔵
1
,
村尾 哲
1
,
森 英治
1
,
吉村 豊暢
1
,
石橋 裕一
1
,
劉 成萬
1
Takayoshi Ueta
1
1総合せき損センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Spinal Injuries Center
キーワード:
頸髄損傷
,
cervical cord injury
,
不安定性
,
instability
,
発生機序
,
mechanism of injury
,
磁気共鳴画像
,
magnetic resonance imaging
,
信号強度
,
signal intensity
Keyword:
頸髄損傷
,
cervical cord injury
,
不安定性
,
instability
,
発生機序
,
mechanism of injury
,
磁気共鳴画像
,
magnetic resonance imaging
,
信号強度
,
signal intensity
pp.483-490
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908090
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抄録:X線上明らかな骨傷のない頸髄損傷のMRI所見より,脊髄内に低信号領域として,脊髄損傷部を観察できた症例27例について,臨床像・X線所見を探り,発生機序・不安定性について検討を加えた.①前方脱臼自然整復例が4例にみられたが,著明な不安定性が存在した.②前方脱臼自然整復以外の23例についても損傷部位は1か所であることが極めて多く,2か所に認められたのは2例にすぎなかった.③損傷部と脊椎症性変化や脊柱管前後径との関連は薄いが,後縦靱帯骨化部は損傷部と関連が深かった.④術中所見から,前縦靱帯と椎間板の水平断裂のみられる例が多かった.これらの症例では伸展位で不安定であるが正中・屈曲位では安定である.また前縦靱帯断裂のない過伸展損傷も存在するが,これらは脊柱管狭窄が主因と考えられる.
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