特集 Spinal Instrumentation(第13回脊椎外科研究会より)
座長総括/「Ⅲ.腰椎—Posterior Instrumentation (hook & rod system)—」の部
辻 陽雄
1
Haruo Tsuji
1
1富山医科薬科大学整形外科学教室
pp.333-335
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907156
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このセッションでは主として働きざかりの年齢層での不安定腰椎に対するinstrumentationの適応と成績について討議がなされた.奈良医大岩崎らは無分離すべり症に対するposterolateral fusion(PLFと以下略)単独施行例6例とこのPLFに水野式プレートを棘突起間に設置した6例との成績を比較した結果,プレート併用は後療法の簡略化と骨癒合率,成績の向上に有用だと報じた.しかし,水野式プレートの固定にはボルトを4本使用することを奨めている.PLFは骨癒合が良好であるという従来の定説は必ずしも正しくないことに基づく工夫といえる.
国立神戸の西林らはunstable backを示すMOB,分離すべり症,脊柱管狭窄,変性すべり,ヘルニアなどに対する後方除圧,PLFとKnodt rod(KRと以下略)を同時に実施した30例の成績をPLF単独例32例と比較した結果,全体にKR併用でやや成績向上をみるものの,術後椎間間隙の拡大は一過性でやがて元に戻る傾向があると述べた.詳細は本文を参照されたい.
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