特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
特別講演—Cervical Spondylosis
Robert W. Bailey
1
,
酒匂 崇
2
1Department of Surgery, Section of Orthopaedics, University of Michigan Hospital
2鹿児島大学医学部整形外科学教室
pp.347-352
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906940
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私が頸椎に関する諸問題に初めて興味を持ったのは,1952年ミシガン大学においてであり,当時Dr. LeRoy Abbotが整形外科の客員教授であった.その当時,我々が若い婦人の頸椎巨細胞腫の症例に対して,初めて頸椎前方固定術を行い,Dr. Badgleyと私が1959年のThe Meeting of the American Academy of Orthopaedic Surgeonsにおいて"Stabilization of the Cervical Spine by Anterior Fusion"と題して報告し,その翌年にJournal of Bone and Joint surgeryにその論文が掲載された.
Dr. AbbotがSir Harold Stilesから教示されたthrust typeの移植骨を用いることによって,前方固定術が可能となった.この術式は手技的にも改良され,この外科的アプローチの適応は次第に拡大されていった.初期にはこの術式は再建術を要する重症例に対してのみ用いられ,成功しなかったが,適応範囲は次第に拡大されて,現在では本法による前方固定術の適応は,1.頸椎骨折,頸椎脱臼骨折,2.広汎椎弓切除術後の不安定椎,3.感染,4.新生物,5.頸椎椎間板障害,6.変形性頸椎症,7.前縦靱帯骨化による嚥下困難などであり,この講演では主に5,6について述べる.
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