Letters to the Editor
術者の弁—Hinge型人工膝関節折損例について
花岡 英弥
1
Hideya HANAOKA
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.534-535
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906364
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本誌第15巻第10号988頁,1980年.の斉藤らの論文「関節破壊の著しい膝関節に対する慶大式人工関節置換術の経験」中に下記のごとき,記述がある.
「高度の関節破壊,内外反屈曲変形と,著明な不安定性のある膝関節に対しては,一般に,膝のstabilityを得る目的で,hinge型人工膝関節が適応とされている.しかし,hinge型人工膝関節は関節のstabilityを得る点ではhingeless型に勝る事はいうまでもないが,骨切除範囲が大きく,一軸性のために,gliding,rolling,slippingやscrewhome movementなどの膝関節運動には応じ切れず,短期的予後は良くても,長期間観察では,人工関節自体の破損(第7図a,b),stemのloosening,骨折やあるいは逸脱などの,種々の続発症が少なくなく,必ずしも満足できる結果を得ていない.特にhinge型に対するsalvage手術は困難であり,最終的に,切断を余儀なくされる事も少なくない.」
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