特集 Multiply operated back
総括/心因性要因の部
井上 駿一
1
Shunichi INOUE
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.332-333
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906319
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- 文献概要
Mulitiply operated back(MOB)における最大の問題点はほとんどの例に何等かの心因性要因を合併している事である.MOBの症例を眼の前にしこの点でいかに対処すべきか苦労する例が多い.多忙な日常臨床において整形外科医側で果して精神科的治療に充分時間的余裕がとれるかどうか? あるいは精神科医にこの種の問題でconsultしても純粋な精神疾患でないため熱意を示さず連繋治療が行われないのではないか? など危惧する事が多い,このセクションではこれらの問題に関しかなり新しい角度より発表が行われたと考える.整形外科医として経験豊富な慶大平林助教授,整形外科医でかつ心身症の問題に特に造詣の深い村山療養所蕪木氏,それに神経内科より矢吹氏(高知県立中央),精神科より井上助教授(千大精神科)の参加を特にいただき計4名の発表が行われた.
先ず神経内科医である矢吹氏は心因性のいたみと器質的な疾患の慢性化にともなう心因加重を区別し,単なる心因性(ヒステリー性など)のものに対しては"動機づけ"が大切で"行動する姿勢"による疼痛の克服,医師,PT,ナースなどのチームワークが治療上大切である.
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