Japanese
English
シンポジウム 最近の抗リウマチ剤の動向
免疫調整剤
Immunomodulator
吉野 槇一
1
Shin-ichi YOSHINO
1
1日本医科大学第一病院理学診療科
1Department of Joint Disease & Rehabilitation, Nihon Medical School
pp.923-924
発行日 1979年9月25日
Published Date 1979/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905990
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
関節リウマチ(RA)の原因は不明であるが,その進展には,異常免疫反応が関与していることは,周知の事実である.効果的な治療を行うためには,原因が不明である以上,現状では完治を目標とせず,その進展を阻止すればよい.その手段は異常免疫反応を抑制するか,または,観点を変えて免疫反応の異常を修正し,正常にもどすかである.異常免疫反応を抑制する薬剤には,アザチオプリン,サイクロファスファマイド,解釈に多少問題はあるが,金製剤,D-ペニシラミンなどがある.これら薬剤は正常免疫反応も抑制してしまうという欠点を有している.理想的には,異常免疫反応のみ抑制する薬剤があればよいのだが,残念ながらまだない.最近の免疫学の進歩で,RAの免疫反応で次のような異常があることが分かつてきた.
1)多くの抗原に対する遅延型皮膚反応が抑制されている.
2)病的滑膜,または関節液中のリンパ球が,PHAまたはConcanavaline Aに対し,その反応が弱い.
3)これらリンパ球のSubpopulationでT-cellのパーセンテージが減少している.
4)多核白血球やマクロファージの遊走能や貪食作用が減少している.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.