特集 COVID-19の総括
治療 現在におけるCOVID-19治療のポイント
免疫抑制薬・調整薬の使用
小泉 祐介
1
1和歌山県立医科大学臨床感染制御学講座
キーワード:
▶免疫抑制薬・調整薬は,中等症Ⅱ以上で考慮される.
,
▶デキサメタゾン6mg/日(10日間)は死亡率を改善させるが,酸素需要のない症例では効果がない.
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▶IL-6受容体阻害薬 トシリズマブ8mg/kg(最大2回)は死亡率,臓器補助回避日数を改善させるが,ステロイドの併用が前提である.
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▶バリシチニブ4mg/日(最大14日間)は死亡率を改善させるが,レムデシビルとの併用が前提である.
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▶いずれの薬剤も早期投与が治療奏効に繋がる反面,トシリズマブ・バリシチニブは高価であることから適正使用が求められる.
Keyword:
▶免疫抑制薬・調整薬は,中等症Ⅱ以上で考慮される.
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▶デキサメタゾン6mg/日(10日間)は死亡率を改善させるが,酸素需要のない症例では効果がない.
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▶IL-6受容体阻害薬 トシリズマブ8mg/kg(最大2回)は死亡率,臓器補助回避日数を改善させるが,ステロイドの併用が前提である.
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▶バリシチニブ4mg/日(最大14日間)は死亡率を改善させるが,レムデシビルとの併用が前提である.
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▶いずれの薬剤も早期投与が治療奏効に繋がる反面,トシリズマブ・バリシチニブは高価であることから適正使用が求められる.
pp.1880-1884
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.12_022
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はじめに
COVID-19の臨床経過では,パンデミック初期から一部の重症例において感染に伴う過剰な免疫反応(サイトカインストーム,サイトカイン放出症候群)が急性呼吸窮(促)迫症候群(ARDS)を含む二次的な組織障害をきたすことが示されてきた.これに対してコルチコステロイド,IL-6阻害薬,JAK阻害薬を用いた臨床試験が行われ,そのエビデンスをもとにわが国でも中等症Ⅱ以上の症例で免疫抑制・調整薬が使用される状況となった.

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