Japanese
English
--------------------
皮膚科領域における精神神経調整剤Chlordiazepoxide(Balance)の応用
STUDIES ON CHLORDIAZEPOXIDE AS A TRANQUILIZER IN THE DERMATOLOGICAL FIELD
松崎 俊彦
1
Toshihiko MATSUZAKI
1
1自衛隊中央病院診療2部
1Department of the Second Clinic Self-Defense Forces Central Hopital
pp.1115-1123
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203649
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
近時社会生活の複雑化に伴い吾々の日常生活はたえず外界よりのstress(肉体的,精神的)にさらされ,それらに対し無意識のうちに対応し適当な反応を起して生活を営んでいるのが実情である。この事実はSelye1)(1936)のstress学説により詳細な説明が行われstress学説の樹立により従来混沌としていたいろいろな疾患の本態が明らかにされてきたことは否定できない。しかしこのstressが度重なると合理的な生体の反応は次第に行われなくなり遂に病的状態となつて残存し次第に悪化の一途を辿り自律神経系全体の不調乃至失調を来し器質的なものとなると説明されている。この問題に関し古くはClaude Bernardに始りCannon2)(1922,1929),Hartmann3)(1932)その他多くの学者により検討されてきた。Reilly4)も生体の外的刺激に対する防衛反応の主役は自律神経系であるとのべこのReilly説及びSelye説の発現によりstess—副腎皮質機能—自律神経系の密接な関係が強調され従来未解決であつた多くの分野の説明が容易に行われるようになり近代医学の進歩の大いなる礎となつた。この自律神経系と脳下垂体・副腎皮質系との密接不可分の関係については幾多のすぐれた研究が行われ沖中5)の詳細な研究がみられている。皮膚は身体の表面を掩つて外界との境をなすものであり外来刺激をさけることはできない。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.