Japanese
English
境界領域
阻血が切断肢筋組織の代謝および細胞傷害に与える影響
An experimental study of the metabolic and histological changes in the skeletal muscle of the amputated limb
村松 郁夫
1
,
高畑 直司
1
,
薄井 正道
1
,
石井 清一
1
Ikuo MURAMATSU
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Hokkaido University, School of Medicine
pp.669-676
発行日 1979年7月25日
Published Date 1979/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905949
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緒言
近年のmicrosurgeryの発展は,いつたん切断された四肢の機能を温存したまま再接着することを可能にした.そのためにはいくつかの条件が存在する.なかでも阻血時間は重要な条件の一つである.切断肢に多量の筋組織を含んでいる場合,一定の阻血時間を越えると,たとえ再接着に成功してもreplantation toxemiaによるショック死の危険がある.またショック死をまぬがれたとしても,筋組織の広範な不可逆性の壊死のために再接着肢の機能の温存は望めなくなる.
先に著者らの一人,薄井18)は成犬の切断大腿の再接着を行ない,阻血時間とreplantation toxemia発生の関係を追究し,その発生機序を推測した.著者らは,さらに阻血時間が筋組織に及ぼす傷害の程度を損傷組織から流出するCPK,GOT-m,LDH値の推移から予測し,それを組織学的に確認した.阻血時間の延長にともない筋組織の傷害は増大するが,しかし冷却によつて筋組織の傷害は,明らかに抑制される結果を得ている.
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