Japanese
English
論述
先天性絞扼輪症候群について—先天性切断との比較
Clinical study of the congenital constriction band syndrome: Comparison with congenital amputation
斎藤 裕
1
,
石井 清一
1
,
三浪 三千男
1
,
薄井 正道
1
,
村松 郁夫
1
,
荻野 利彦
1
,
三宅
1
Yutaka SAITO
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
1Dept. of orthop. surg., Hokkaido university school of medicine
キーワード:
先天性絞扼輪症候群
,
congenital constriction band syndrome
,
先天性切断
,
congenital amputation
Keyword:
先天性絞扼輪症候群
,
congenital constriction band syndrome
,
先天性切断
,
congenital amputation
pp.666-670
発行日 1980年7月25日
Published Date 1980/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906164
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緒言
先天性絞扼輪症候群(以後C. C. B. S.と略す)は,絞扼輪4)にacrosyndactyly7,14),切断,リンパ浮腫などを合併した独立した四肢奇形である(第1図).この奇形の成立機序を解明するための実験的研究は多いが5),手指の原基形成がほぼ完了した時点で,何らかの障害が加わつた場合に形成されるとする考えに意見は一致している13).一方,外表奇形として四肢の切断が主病変である奇形は先天性切断(以後C. A.と略す)と呼ばれている.この奇形は,developmental arrest(Patterson)9),limb bud arrest(Glessner)3),transverse deficiency(Swanson)11)などと表現されるように,四肢そのものが形成されてこない状態である.したがつて,C. C. B. S.にみられる切断と,C. A.は明らかに区別されるべきものであるが,その鑑別がまぎらわしい場合にも遭遇する.発現機序の異なる両奇形において,切断という現象にのみ目を向けた場合,両者の特異性を明確にしようとしたのがこの研究の目的である.
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