カラーシリーズ Microsurgery・6
血管付皮弁移植術(Vascularized skin flap transfer)
玉井 進
1
1奈良県立医科大学整形外科
pp.626-629
発行日 1978年7月25日
Published Date 1978/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905735
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〔概説〕
従来よりおこなわれてきた有茎皮弁移植には,皮弁内に特別の栄養血管を有しないrandom pattern flapと,特定の栄養血管(動・静脈)を有する皮弁,すなわちaxial pattern flapの2種類があることは衆知のことであり,後者の代表的なものとしてはgroin flap,deltopectoral flap,hypogastric flap(epigastric flap)などがある,血管付皮弁移植術とは,axial pattern flapを栄養血管とともに採取し,これらをrecipient siteの動静脈と吻合してやることにより,1回の手術で皮弁移植をおこなうものである.頻回の手術,特殊な体位保持による患者の負担,最終的に移植を完了するまでに長期間を要するなど種々の欠点を有する有茎皮弁移植に代る画期的な方法として,形成外科,整形外科領域で広く応用されている.微小血管外科の発達がもたらした皮膚移植術の一大革命ともいえるものであろう.
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