カラーシリーズ Microsurgery・7
神経・血管付皮弁移植術(Neuro-vascular skin flap transfer or sensory skin flap transfer)
玉井 進
1
1奈良県立医科大学整形外科
pp.714-717
発行日 1978年8月25日
Published Date 1978/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
〔概説〕
手の母指や示指に知覚が欠如しているときには,中指や環指からneurovascular skin island pedicle flap transferをおこなって,pinchに必要なpulpの知覚再建をはかる方法が日常よく用いられる手術であるが,成人では知覚のswitchingに難点がある.また,足底やアキレス腱部に知覚麻痺や瘢痕があるときには,靴ズレを生じ易い.従って,このような部位に対して,前回述べたような単なるvascularized skin flap transferをおこなっても,単なるcoveringの意味しかない.もちろん,長年月を経れば移植皮膚に知覚が自然に回復してくるが,決して満足すべきものではない.
Neurovascular skin flap transferは皮膚移植に加えて知覚をも獲得できるという大きな利点を有する手術である.Donor siteとしては第1図のごとき部位があり,手の外科領域では足背からのdorsalis pedis flap,足母指外側からのhemipulp flap,指間部からの1st web flapがよく用いられている.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.