視座
整形外科研究会雑感
鈴木 良平
1
1長崎大学整形外科
pp.631
発行日 1978年7月25日
Published Date 1978/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905736
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最近の医学界の傾向として,学会や研究会がやたらに多いのが問題になつている.わが整形外科領域でも研究会の数は枚挙に暇がながほどであり,直接関係のある研究会に全部出席しようと思えば,莫大な時間と費用が必要である.これら研究会の目的とするところは,比較的小人数の専門家が膝を交えて1つの問題についてディスカッションすることにあるので,学問の進歩に貢献するところが大きいのは論を俟たない.しかし果してこのような運営をしている研究会がいくつある低だろうか.はじめの目的はこのようなものであつても,余りにも熱心な学究が多いために急速に会はふくれ上り,学会形式をとらざるをえなくなる.そして発表演説を記録に残したが,会則も決めねばならぬということになつて,ミニ学会となつてしまう,こうなると研究会に出席せねば,また演題を出さなければバスに乗り遅れるような心理状態となり,研究会の規模の拡大と反比例して内容はお粗末なもの,焼き直しの演題が多くなる.これではいたずらにお金と時間の浪費になりかねない.この辺で研究会本来の姿に戻す努力が必要なのではあるまいか.
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