今月の主題 免疫診断法と免疫療法
免疫療法・これから期待されるもの
Transfer factor
松本 脩三
1
,
伊藤 碩候
2
1北大小児科
2日赤北海道血液センター
pp.840-841
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207912
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はじめに
Transfer factor(TF)は,遅延型皮膚反応(DTH)陽性の供血者から陰性の受療者へ,その皮膚反応性を受働的に伝達することが可能な感作白血球由来の透析性抽出物として,Lawrenceにより1955年に初めて記載された1).
正常人では,DTHの伝達ばかりでなく,この物質を介して特異抗原に対するMIF産生反応とか,あるいはin vitroのリンパ球反応性も伝達されうることも同時に知られていた.Lawrenceの報告から15年を経てTFが多くの臨床家の注目を集め始めたことの背景には,2つの疾患の存在がきわめて重要な役割を果たしている.すなわちWiskott-Aldrich症候群(WAS)と慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMC)である.
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