カラーシリーズ Microsurgery・8
血管付骨移植術(Vascularized bone graft)
玉井 進
1
1奈良県立医科大学整形外科
pp.804-807
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905763
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
〔概説〕
従来よりおこなわれてきた自家遊離骨移植術は,骨の血行を無視した"dead bone graft"であるため,移植された骨は一たん壊死におちいり,吸収と置換の経路をたどる運命にある.従って,移植床の条件が悪いときには,骨が吸収されて消失したり,骨癒合が得にくいことが少なくない.
一方,ここで紹介する血管付骨移植は骨の栄着血管を温存して採取し、移植床の血管に吻合して移植する"livingbone graft"であるため,かなりの悪条件下の移植床でも,骨折の治癒過程と同じ経過で生着しうる.本法はいまだ歴史が浅く,1973年頃よりMcCullough,Fredrickson,Östrupらによって犬の血管付肋骨をmicrovascular anastomosisを応用して移植する実験が開始され,1975年,Taylorらにより腓骨を用いての最初の臨床例が報告された.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.