臨床経験
Swanson分類による当科における上肢先天奇形の分析
荻野 利彦
1
,
石井 清一
1
,
三浪 三千男
1
,
薄井 正道
1
,
村松 郁夫
1
,
三宅 哲
1
Toshihiko OGINO
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
pp.568-575
発行日 1978年6月25日
Published Date 1978/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905726
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緒言
四肢先天奇形の統計学的報告1,2,12)は多くみられるが,それぞれの分類方法が異なるために,個々の奇形の出現頻度の実態を把握することははなはだ困難である.一方,四肢奇形の分類については,種々の試み3,10,14,20)がなされているが,いまだに確立した方法はない.1976年にSwansonは四肢奇形を成因別に7大別した分類を報告しており,この方法が最近,広く用いられてきている.
当科においては,石井ら12)が昭和23年から昭和42年までの20年間の当科の手の奇形の統計的観察を行なっている.今回,著者らは昭和42年から昭和51年3月までの間に,当科外来を訪れた上肢先天奇形患者をSwanson分類を用いて分類した.性別,左右別,各疾患別出現頻度,合併奇形,家族発生についても引き続いて観察した.得られた結果にもとづき,当科における上肢先天奇形の実態を把握すると共に,Swanson21)分類のもつ問題点に検討を加えた.
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