特集 脊椎の炎症性疾患
化膿性脊椎炎の臨床像—結核性脊椎炎との比較
下出 真法
1
,
山崎 典郎
1
,
曽我 恭一
1
Masanori SHIMODE
1
1都立墨東病院整形外科
pp.317-322
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905694
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結核性脊椎炎が抗結核療法の進歩により激減したため,従来まれとされていた化膿性脊椎炎が相対的に増加するわけであるが,これも抗生物質の開発普及により,その臨床像は過去のものと趣きを異にしてきたようである.すなわち,急性の経過をとり予後不良の疾患とされていた化膿性脊椎炎が16,17,23,27,30),抗生物質の開発普及した時期と一致して,慢性の経過をとるものが多く予後良好の疾患であるとの報告が増加し一般的となつてきている1,3,4,10,18,19,21).今回我々はこの化膿性脊椎炎について,1970年以後当科にて診療し経過観察した症例を中心として結核性脊椎炎との比較を中心に,最近の傾向,診断,治療の問題点につき論じたい.
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