特集 脊椎の炎症性疾患
総括
結核性脊椎炎最近の傾向
金田 清志
1
,
平林 洌
2
Kiyoshi KANEDA
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.413-415
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905709
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結核性脊椎炎の最近の傾向というところで8題が発表討議され,さらに4題の特殊な症例報告があつた.
腰背痛の患者をみたら脊椎カリエスを疑えと言われた時代は過去のものとなり,現在では腫瘍を疑えと言われてる時かもしれない,10数年前と比較したら脊椎カリエスは減少しており一般の整形外科医の脊椎カリエスへの関心は薄れてきているであろう.それが典型的な脊椎カリエスが見のがされたりするもとになつているのであろうか.III-A-49大阪医大の栗本氏は脊椎カリエスと術前診断の誤つた7症例の検討について述べた,転移性腫瘍5例,シユモール結節1例,原発性腫瘍1例で,これらは脊椎カリエスの診断のもとに治療された41例中のものである.これら7例は,血沈亢進と白血球数増多は全例にあり,CRPは2例を除き陽性,ツ反は1例をのぞき陽性で,XP所見でも従来成書に記載されている脊椎カリエス所見を否定するものではなく,鑑別診断の難しさを述べるとともにnccdlc biopsyによる補助診断駆使の必要性を強調した.III-A-50国立埼玉病院の生越氏は脊椎カリエスはまだまだ油断のならない疾患と述べ最近5年間に経験した8例の分析から罹患年齢,部位,椎体数について言及した.
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