視座
大腿骨前捻について
池田 亀夫
1
1慶応義塾大学整形外科
pp.1033
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905612
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大腿骨近位端部の前捻は先天股脱においてしばしば異常に増大することは古くから指摘されており,このために骨頭の非固定性あるいは再脱臼の原因となることは既に1921年Brandesが記載している.
先天股脱を数多く扱う整形外科医にとつて大腿骨頸部前捻はきわめて重要な問題であつて,前捻角の測定法,測定値の正確さ等について払われた先人の努力は周知のように極めて多大である.捻転などの幾何学的関係を考え便宜上,大腿骨を解剖学的に骨頭ならびに頸部を含む近位端部,骨幹部および顆部に三大別し,それぞれに頸軸,骨幹軸ならびに通顆軸(または顆部後方切線)を想定し,いろいろの方法が提案されている.
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