発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140456
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大腿骨頸部外側骨折術後の前捻角を超音波断層像(エコー)にて測定し,経時的変化を検討した.対象は2003年6月から10月までに骨接合術を施行した9例(男2例,女7例)9股であり,手術時平均年齢は82.8歳,術式はPEN 2例,IMHS 1例,Gamma nail 6例であった.まず,エコーで計測した前捻角とCT画像法による値とを比較した結果,エコーとCTの計測値には強い相関関係を認め,エコーを用いても前捻角の経時的変化を追跡できると判断した.次に,術後1週と術後5週に前捻角を求め,単純X線像より両股正面像における頸体角を計測した結果,術後5週の前捻角と頸体角は有意に減少した.エコーによる角度計測は大腿骨の前捻角,下肢のねじれや膝の回旋角などに利用されており,放射線被曝がなく手技に慣れることで容易に計測できることから,経時的な観察に適していると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005